イタリアに留学していた時、
いろんな人がわたしをお家に招いてくれて
もてなしてくれることが多かったのです。

とある友人宅にて
わたしが遊びに行った時、
「ケーキをつくろう！」
ということになり、その様子を見ていました。

彼女は雑誌だか、料理本だかのケーキのページを
あれがいいかな？
これがいいかな？
と探していました。

で、
パウンドケーキのようなものを見て、
「これにしよう！」と決めたようで
材料を揃えていました。

さすが外国

バターや小麦粉が豊富に揃っていて
特に買い物に出かけなくても大丈夫だったんです。

レシピをみながら、材料を揃えていると

おもむろに
「え！？バターの量が多すぎだわ！」
と言い出し、

「半分にしましょう！」

と分量の半量に
勝手に変えています。

ここでわたしは目が点になりました。

だって、
お菓子づくりの常識では
「計量はきちんと」だったから。

「1gの違いも認められない！！！」

そんなふうに思っていました。
（過去のわたしです。）

だから、この目の前の光景
信じられない

お菓子を冒涜している！

なんて思っていました。

わたし
昔からお菓子を作るのだけは好きで
よく作ってました。

お菓子づくりの本もよく読んでました。

分量はきちんと測りましょう
と書いてあるのを信じて
きちんと計量してました。

それをしないのは「悪」という思いで
やってましたね。

今考えると怖いです（笑）。

バターを減らした分
粉の割合が増えて
ボソボソになったり、
生地がパサついたりしそうですよね。

それは彼女も思ったようで
「代わりにヨーグルト入れましょ！」って
入れていました。

イタリアのケーキって
ほんと混ぜていくだけ。

卵黄と卵白を分けて泡立てて

とか、
全卵を泡立てて

なんて工程、見たことはほとんどない。


半量にしたバター
代わりに入れたヨーグルト
砂糖
卵
小麦粉
ベーキングパウダー

それくらいの材料を一気に混ぜて
型に入れて焼く

わたしは
「そんな適当な分量のケーキって・・・」
と心配しながら焼けるのを見守っていました。

満足そうな笑顔で
彼女は焼けたケーキを持ってきて
切り分けてくれて

そして、恐る恐る口に入れてみました。

心の中では
「どうせパサついて、ちょっと物足りないんだろうな。」
なんて思いながら。


でもね、
わたしのためにケーキを作ってれたという
彼女の行為には感謝してましたよ。



食べてみると・・・

裏切られました。
わたしの心配なんて




美味しいのです。

　
美味しさだけではありません。
見た目も普通のケーキとなんら変わりありません。


そして、
わたしの今までの概念
覆されました。

今まで、わたし、
正確に測ることこそ正義
のようにやってきた。

でも、そうじゃなくてもいいんだ〜！

なんか、
自由を得たようにでしたよ。

次のエピソード

師匠にティラミスの作り方を聞いた時のこと

ちょうどティラミス作っていたので、
だから分量を聞いてみたの。


「マスカルポーネを半キロに
　砂糖を・・・・

　好きなだけ」


え？

まさかの「好きなだけ」。

ビビりました。



わたしは
その好きなだけの分量が知りたかったのですが・・・



イタリア人に聞くと
こんな感じです。

お料理教室に行っても
こんな感じなんです。

レストランのシェフのように
舌で覚えろ！的な。

なんて自由なんだろう？
イタリア人って（笑）

電車やバスは時刻通り来ない
途中でなくなる（キャンセル）ことも多い

計画も計画通り行かない

なんてことの多いイタリア

だから
イタリア人っていい加減なイメージが大きいのですが、

このいい加減さ
慣れてしまうと楽なんですよ。


日本は、正確であることは素晴らしいのですが、
ちょっと窮屈なこともある。

ほどほどが一番ですね。

そして、
いい加減な分量で
美味しくできてしまうケーキのように
ちょっとくらい違ったって、
『大丈夫』ってことも多いんですよね〜♪